さて前回は筋トレのやり方にはコツがあると書きましたが、それは…
・軽目のウエイトかノーウエイト(自重を使う)
・ゆっくり、かつ大きく動かす
の2点が、ランナーにとっての筋トレ作りでは大事なポイントになります。
それは何故か?
普通、筋トレのイメージと言えば重いバーベルを背負うとか、
マシンの負荷を重くして苦しい顔をしながら
行うというイメージがありますが、
こうして出来上がった筋肉はランニング向けというよりも、
プロ野球選手のようなパワーを必要とする
スポーツ向けの筋肉が出来てしまいます。
むしろゆっくり、しっかりと大きく動かすと、
可動域を広げて柔軟性に富んだ筋肉が出来上がり、
かつ以前述べたゆっくり走るトレーニングと同様に
大きく動かすことを脳が認識するので
ランニングに有利な筋肉が出来ます。
そしてさらに柔軟性に富んだ筋肉が出来上がるということは
回復力のアップにも繋がり、
そして他の筋肉との連動性も高まるので、
各部位にかかる負担も軽減されて
より疲れにくい身体が出来上がる、
つまりスタミナアップにも
繋がっていいことばかりなのです。
ところでゆっくり動かすというのは、
雑誌でよく目にする所謂「スロトレ」と言うものですが、
これは本当に効用が大きいので是非活用していただきたいですね。
ちなみにこれは私生活にも役立つ筋肉が出来上がるので、
ランニングの方のみならず、健康目的にも役立ちます。
では以前書いた、
「筋肉を鍛えるために、筋肉に力を入れる必要な時間は一瞬で十分」
ということに対して反対では?と思ってしまいますが、それは何故か?
さて、筋肉を鍛えるのに必要な時間は一瞬で十分なのに、
なぜ「スロトレ」が効果があるのか、についてですが、
まず動作のメカニズムについて見てみたいと思います。
人が動作を行うとき、例えば腕を曲げる動作を取り上げてみると、
人が「腕を曲げたい」と思考する
→脳から「腕を曲げる」ための信号を神経に送る
→腕の筋肉に伝わり、腕を曲げる
という一連の流れになります。
ここで考えたいのが、
脳が一体どんな内容の信号を筋肉に送っているのか?
ということです。
実際にゆっくり腕を曲げてみると、
「力を入れる」ではなくて、
「ここからここまで移動する(収縮・伸張する」という信号のようです。
というのもゆっくり腕を曲げるときの
腕の力の入り具合を感じてみると、
ずっと力を入れっ放しというよりは、
力が入っては抜けての繰り返しが行われているように感じます。
これは恐らく、
力が入りっ放しでは筋肉疲労が
凄まじいために防衛本能が働く、
言い換えれば脳によるストッパー機能が
働いているように感じます。
つまり、スロトレを行っている時の筋肉は、
感覚的には少しずつ力を入れることの繰り返し、
と捕らえてもいいのだと思います。
結果的に何度も筋肉に力を入れる分、
疲労感が大きくなりますが、
その分だけ得られる効果も大きいのです。
ちなみにこうした動作は
脳が学習することによって鍛えられて、
さらに動くまでの時間が短縮されていくことは、
以前書いた「ゆっくり走ることによる効果」に記載しました。
さて、一瞬で力を入れるという原理をフル活用したトレーニングとして
「初動負荷トレーニング」というものがあります。
このイチロー選手もトレーニングに取り入れているとう
「初動負荷トレーニング」については下記リンクを参照してくださいね。