さて前回書きました、意外とストレッチを忘れがちな部位についですが、
大筋肉群については意識してストレッチをするものの、
それ以外の細かい部位についてはあまり意識することは
なかなか難しいのではないでしょうか。
大筋肉群については痛みがはっきりと出やすい分、
簡単に目が届くのですが、
それ以外の細かい部位は痛みを感じる頃になってから
触ってみるとかなり痛くなっており、
痛みに気付くのが遅れがちになります。
そうならないためにも事前に手を打っておくことは正解なのです。
ストレッチを忘れがちな部位を順に記載していきます。
意外と気付かないかと思いますが、
足は相当疲労している部位です。
ストレッチの方法としては、
・テニスボールやゴルフボールを踏んでマッサージ
・100均等で販売している、竹踏みグッズを踏む
・手で揉みほぐす
があります。
ちなみに私が右膝を半年間故障していた時、
左足の踵が異常に痛みを感じる筋肉痛になり、
足のマッサージマシンを使用した時や、
整骨院で揉んでみると激痛に耐えかねて悲鳴を上げるほどでした。
柔道整復士も異常な凝りに驚いていた程ですが、
足というのはそれだけ敏感な機関だということを
肌を持って実感できました。
1日の中で歩かない日はありません。
ましてや地面に触れるのは足だけですし、
その衝撃を考えると足には
相当の負担がかかっておることが理解できると思います。
さらには下半身、引いては全身の筋肉の先端だけに、
全ての筋肉のバランスや筋肉の力加減の行き着く先、
もしくは発端が足であることを考えると
足の重要性が理解できると思います。
足をほぐすだけで身体の柔軟性がアップするのですが、
例えば前屈してみるとその効果が
はっきりと見て取れるから驚きです!
また古語では、動作の秘訣として「踵で息をする」とありますが、
踵を活かすためにはつま先に力が入ることが必要なので、
自然とつま先に力が入るようになれば
行っているトレーニングが正しい方向に向いているという確認になります。
ちなみに腹筋が自然と緊張した状態を作り出すためには
踵を活かすことが重要です。
※私は「足」と「脚」を意図的に使い分けて記載しています。
・足(足首から下)
・脚(太ももの付け根から足首まで)
ふくらはぎは第二の心臓とも呼ばれている位、
重要な部位であるので大事に扱うべきですが、
疲労で張っていてもなかなか痛みを発しないので
ストレッチを忘れがちな部位です。
ふくらはぎはだいたい次の三種類の部位に分類して捉えると分かりやすいです。
・腓腹筋(主としてふくらはぎの表側)
・ヒラメ筋(主としてふくらはぎの内側)
・アキレス腱
それぞれの働きとストレッチについて記載していきます。
膝間接の屈曲、及び足関節(足首)の底屈に働く。
そこでこの筋肉をストレッチさせるためには、
膝間接の伸展と足関節の背屈が必要となります。
・腓腹筋のストレッチ
→脚を前後に開いて、後脚は膝を伸ばしたままふくらはぎを伸ばす。
足関節の底屈だけに働く。
そこでこの筋肉をストレッチさせるためには膝を屈曲して
足関節を底屈させる必要があります。
・ヒラメ筋のストレッチ
→脚を前後に少し開いて、
両脚の膝を少し曲げてしゃがみ込みながら後脚ふくらはぎを伸ばす。
片足の足と反対の脚の膝を左右に並べるようにしゃがみ込んで、
体重を前脚に乗せると前脚のアキレス腱のストレッチになります。
そして番外編として大事なのが…
向こう脛(むこうずね)です!
トレーニング不足でフォームが悪い場合や、
姿勢が悪いと、走っている最中に激しく痛む、
ことがありますので注意が必要です。
私はかつてフルマラソンの25km位の所で
向こう脛に電気が走るような痛みが発生して
走れなくなるほど苦しみました。
この部位の筋肉痛になったことがある方は分かるかと思いますが、
人体の筋肉痛の中で向こう脛の痛みは最強レベルです。
向こう脛の筋肉痛を予防するためには、
姿勢を良くして後ろに体重がかかりすぎないように
トレーニングする必要があります。
後ろに体重かかかると
無理矢理に脚を前に出すために
向こう脛に余計な力みが発生して、
向こう脛に負担がかかってしまいます。
かっての私は骨盤前傾が酷くて
体重が後ろにかかりがちだったために
向こう脛に負担がかかっていましたから、
当然のごとく向こう脛の筋肉痛になりました。
さらには体重が後ろにかかると
足が踵から着地してしまい、
結果としてスピードダウンのみならず
腰にもかかわらず負担がかかるので、
身体に余分な疲労がのしかかってしまいバテてしまう原因になります。
向こう脛のトレーニング方法としては、
脚を肩幅に開いて壁にもたれて、
足を壁から離した状態で
足先を上げ下げすると向こう脛の筋肉を使うことになるので、
向こう脛の筋肉痛が発生してしまう人はこのトレーニングを行いながら、
姿勢の改善に取り組む必要があります。
中臀筋は臀部の横に位置し、
小臀筋ととともに脚を外転(外側に開く)させる働きがあり、
中臀筋は脚を外旋、小臀筋は脚を内旋させるときに作用します。
従って中臀筋のトレーニングはサイドレイズのように、
脚を外側に開く動作で行うことができます。
中臀筋はお尻の横を触ってみると分かりますが、
薄くて固い部分があり、ただ触っただけでも
簡単に痛むことが感じれます。
そしてトレーニングにより張ってしまった時に触ると分かりますが、
ここもかなりの痛みを感じます。
とりわけ整骨院でこの部分を押されて
マッサージをしてもらうと悲鳴を上げてしまう程痛いものです。
そして中臀筋は、
大臀筋や小臀筋等と伴に臀部を構成している筋肉ですが、
これらの臀部の筋肉が弱かったり、
もしくはハードなトレーニングの後に
ストレッチをさぼってクールダウンを怠ったりして
疲労が溜まっていくと腰痛の原因になります。
とりわけ後者のクールダウン不足による腰痛は、
身体を前に倒せなくなるほど激しく痛むので、
臀部の筋肉のトレーニングとストレッチを
セットで行ってしっかりと鍛え上げることの重要性が理解できます。
中臀筋は骨盤の骨と大腿骨を結んでいるということから、
身体のバランスを保つために作用していることが分かります。
そのため中臀筋が弱いと片足で立ったときに
バランスをうまく保つことができません。
さらに中臀筋が弱いと太ももの外側の筋肉や
それに平行している腸脛靭帯に負担がかかってしまいますが、
この腸脛靭帯はランナー膝の原因として有名な靭帯であり、
それだけに中臀筋を鍛えることの重要性が理解できます。
そのためには、重ねてしまいますが
当然の如く臀部の筋肉のトレーニングとストレッチをセットで行うことです。
・寝ころんだ状態で膝を曲げて持ち上げる。
この場合は中臀筋が伸びるよう、股関節の角度を調整する。
・あぐらで座り、片方の膝を立てて、
もう片方の膝の外側に引っ掛けて身体を捻る。
・あぐらで座り、片方の脚を後ろへ伸ばしてから前に体重を乗せる。
・足を縦に揃えて軽く開いて、
手を壁に添えて壁側にお尻を突き出す。
位置を調整すれば太ももの外側へのストレッチにもなります。
腸腰筋は大腰筋とその中に埋もれる形の小腰筋、
そして腸骨筋から構成されており、
大腰筋は背骨の下部から大腿骨へ付き、
腸骨筋は骨盤から大腿骨に付きます。
腸腰筋は上体と下体を繋ぐ唯一の筋肉であるため姿勢の保持に働きます。
そのため運動時の身体のバランスを保つためには重要な筋肉です。
また股関節の屈曲に働くため、
大腿を上げる時に作用する筋肉です。
つまり走る時には膝を上げる際に作用するわけです。
ちなみに脚を後ろに蹴る時は、大臀筋が作用します。
ちなみに以前私がひどい腰痛に悩まされた時がありましたが、
この時の原因はこの大腰筋の疲労が原因でした。
目に見えない部位であるためと、
疲労しているかが分かり辛いため
ストレッチが疎かになりがちな筋肉であると言えます。
またインナーマッスルと言うと、
この部位だけ鍛えればいい!と言うくらいに
インナーマッスルのトレーニングを神格化してしまう人がありますが、
上記に記載したようにあくまで役割としては
身体の筋肉の機能の一つでしかないため、
他の筋肉と平等に扱うことは至極当然と言えます。
・腸腰筋は大腿を後に引っ張って、
股関節を伸展することにより伸ばすことができます。
そこで足を前後に開いて膝をつき、
腹部を伸ばし気味にして前に少し押し出すことにより
腸腰筋のストレッチができます。
ついでにこの時に膝を曲げて、
手で足を持ち上げると大腿四頭筋のストレッチにもなります。
・うつ伏せに寝ころび、上体を手で押し上げながら反らす。
※見えない筋肉なので感覚を養うことも必要です。
頭部の重量は約5kgと言われています。
そこで大体1リットルのペットボトル5本分の重量が
いつでも首に乗っていると想像すると、
首に掛かっている負担がいかにすごいかが分かります。
特に年齢とともに身体が固くなってしまって、
動作の際に肩に力みが入りやすくなると首にも余分な緊張が付いてきます。
トレーニングを行ったら知らず知らずの間に首に疲労をため込んでいた、
ということにもなりかねません。
また、首は脳に血液を送る血管があるので、
ストレッチを行い凝りをほぐして血液の循環を促してあげると、
脳への酸素供給が安定するので、
仕事で疲れた時にストレッチを行えば、
脳がリフレッシュして仕事の効率も良くなるということです。
普通のストレッチで十分です。
首を前後左右に倒す、首を回すことです。
ただしゆっくりと丁寧に行うことが大事です。
そしてこまめに行うことで、
仕事上の姿勢からくる首の懲りも楽になります。
首も含めて全身のバランスが整い、関節の柔軟性が増して、
動作の際において身体の各部位の連動制が増してくると、
身体の余分な力が抜けてきます。
その結果として、
経験上ではランナーズハイが起こりやすくなってきます。
それについてはまた後述してみますね。