さて、走る時に生じるケガですが、
一般的にまず知られているのは「ランナー膝」ではないでしょうか。
膝をケガ=膝を壊す=歩くことに不自由する、
という怖いイメージを感じてしまいがちですが、
単純に必ずしも
「膝の痛み」=「膝のケガ」
ではないということを理解する必要があります。
そして膝周辺の筋肉ですが、
位置を簡単に捉えると、
大腿(太もも)の筋肉は膝の上部までではなく
膝を通り越して膝の下部まで伸びているのです。
ということは「膝の痛み」=「膝のケガ」とは
必ずしも成り立たず、
ランニングの際には「膝の痛み」=「膝周辺の筋肉や腱、靭帯のケガ」
である場合が多く、
私が経験したケガはそのケースが全てでした。
ちなみに筋肉は骨に付着する段階で腱となります。
中でもアキレス腱は人体の中で最大の腱です。
そして骨と骨を結合させているのが靭帯です。
従って、単に膝が痛いからといって
必ずしも膝をケガしたとは限らないので、
膝にアイシングを行って
膝の治療を行ったつもりでいても、
実は周辺の筋肉が痛みの原因だった場合には
本末転倒となります。
また、痛みを発している筋肉に対して
治療を行ったつもりでも、
実は自分では分からない筋肉が
痛みの原因であることがあるので、
膝が痛みを発した場合には、
専門医や柔道整復師といった
専門家による診断がとても大事です。
いずれにしても早期に対策を行うことが、
早目の回復へのキーポイントです!
では膝周辺のどんな筋肉が痛みの原因となるのか。
さて、膝周辺のどんな筋肉が痛みの原因となるのかについてです。
私自身の経験から次の膝周りの筋肉や靭帯を痛めることが多いです。
→ランナー膝としては一番有名かもしれない、「腸脛靭帯炎」を起こします。
この靭帯が炎症を起こすと本当に痛いです。
私は2週間位、脚を引きずっていたこともあります。
そうならないためにも太ももの外側のストレッチが重要です。
→非常に張りやすい筋肉です。
この筋肉は大きい筋肉だけに張ってしまうと
膝全体に影響を与えてしまうので
取り分け念入りなストレッチが必要です。
膝の伸展する働きのある筋肉なので張ってしまうと
膝の皿の動きを悪くしてしまい、
痛みや張りの元となってしまいます。
この筋肉のストレッチはまず最低限の基本であると
捉えていただきたいものです。
→膝の関節に対しては下腿を伸展させる働きがあるので、
この筋肉が痛むと膝の屈曲の際に膝の痛みを発してしまいます。
その状態で触ってみるとかなりの痛みがあります。
また、この筋肉が痛みの原因になっていることに
中々気付けない部位です。
→マシントレーニングでいたずらにスピードを上げて練習していたときに、
この筋肉が弱いと痛めることがあります。
痛みは膝の内側に発生するのですが、
非常に強い痛みなので練習をする気力が失せてしまうほど
メンタルにも影響を与えてしまいます。
太ももの内側は老化のバロメーター、
ということを聞いたことがありますが、
ストレッチ等のケアをさぼると
簡単に固くなってしまうことで
よく理解できると思います。
症状や痛む原因となる構造については、
医学的な見地となるので専門書や専門サイトで
見ていただきたいのですが、
膝というのは本当に複雑かつ微妙なバランスで保たれている
デリケートな部位であることがよく分かります。
痛みを発しやすい部位を知っておくことで注意に繋がり、
積極的にケガの予防に繋がるので知っておいて損はありません。
逆に、ケガの予防=クールダウンとなるので
トレーニング後の疲労回復にも繋がりますし、
トレーニング後のクールダウンは
筋肉の成長にも役立つので一石三鳥ですから、
やはりストレッチ等のクールダウンは
時間を割いてでも積極的に取り組んで正解なのです。
またランニングによるケガは他にもあります。
それについてはまた後述してみますね。