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いつも心掛けたい「機を見るに敏になる」について歴史からも学べること

「機を見るに敏になる」という言葉がありますが、これはもしもの時を考えて次の一手を打っているからこそ、「機を見るに敏になる」と言えるのではないでしょうか?

つまり、リスクヘッジが出来ているからこそ、「機を見るに敏になる」ことができるのだと言えると思うのです。

以前にナポレオンを取り上げたので再びナポレオンに関係したことで書いていきたいのですが、

ロシア遠征の失敗の後、周辺各国から戦争を仕掛けられて敗北したナポレオンが、流されたエルバ島から脱出して再び皇帝の座に着いた後に起こったのが、有名な1815年の「ワーテルローの戦い」です。

この戦いの動向を熱く見守っていたのが各国首脳や軍人の他にもいました。

それは「投資家」です。

この当時、すでに市場経済が出来上がっており、ナポレオンですら市場からの資金調達の重要性を理解していたので、中央銀行である「フランス銀行」を設立したのですが、

このことは何故か教科書ではあまり触れていないのですね。

本来歴史とは、戦争のみならず「政治」と「経済」を組み合わせて捉えないとなかなか理解しずらいのですが、どうしても教科書は分量の都合があるのか表面的なことしか記載されていないので理解して覚えることがしずらい内容になってしまっています。

ちなみに、詳しくは触れませんが、日本がかつて大東亜戦争を開始したことも、政治や経済と絡めて見てみると違った側面が見えてきます。

そしてこの1815年、フランス皇帝ナポレオン率いるフランス軍と、イギリス=オランダ=プロイセン連合軍が戦ったワーテルローの戦いが起こりました。この戦争において、イギリスは国債を発行して対ナポレオン戦争の軍資金を調達していました。

ということは、イギリスが負ければ、当然ながらイギリスの国債は大暴落してしまいます。

そのため投資家達は戦争の行方を固唾を呑んで見守っていました。 この中にいたのが、ロスチャイルドファミリーで有名な「ネイサン・ロスチャイルド」です。

独自のネットワークによりいち早くナポレオン率いるフランスの敗北を知ったネイサン・ロスチャイルドは、ロンドン取引所でまず国債を売り始めました。(政府よりも一日早く情報を手に入れることができたそうです。)

イギリスが勝ったのですから当然ながらイギリス国債が高騰するので普通なら「買い」なのですが、

ロンドンの市場で有名なネイサンが売り始めたため、

ロンドンの市場関係者達は、「ロスチャイルドが債権を売っているということはイギリスが負けた」と当然のように考えてしまい、我先にと債権を売り始めた結果、イギリス国債は大暴落してしまいました。

しかし実際にはナポレオンがイギリスに敗北したので、当然ながら戦勝国であるイギリスの国債は、大暴落した次の日にはイギリス勝利の情報とともに暴騰してしまいました。

しかしながらその時にはすでにネイサンがイギリス国債を大量に買っていました。

この出来事により、ネイサンは約100万ポンドの利益を得たといわれていますが、これは当時のお金の価値では天文学的な数字で、この日の儲けで彼の財産は2500倍まで膨れ上がったとも言われていることから、ホントに驚きですね!

しかもこのことから市場経済は心理に左右される、と言われていることがよくわかります。

周囲に流されて右往左往する普通の人間と違って、しっかりとリスクヘッジを備えていた彼の先見の明ある考え方に尊敬の念を感じざるを得ません!

このことは後に「連合国はワーテルローの戦いに勝ったが、実際に勝ったのはロスチャイルドだった」という諺となって残っていることから、彼が歴史に残したインパクトの大きさが伺えます。

そして1820年代に入るとさらにロスチャイルド5兄弟の影響力は大きくなり、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、オーストリアの5カ国の対立構造を利用して、プラスとマイナスの両者に投資して必ずトータルでプラスにするという、今日のヘッジ・ファンドの手法で、利益を一手に独占したのですからすごいと言うほかありません。

「リスクヘッジ」=「機を見るに敏になる」

意外な組み合わせですが、

これも勝つべくして勝ってしまう、

いやはや、孫子の兵法にある「敵を知り、己を知れば、百戦危うからず」ですね(^_^)/

3exas-1

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