脂肪を減らして痩せるためには、
大抵の人は食事制限を思い浮かべると思います。
いわゆる、炭水化物や糖分・脂質を制限して摂取するカロリーを減らす、
ということを思い浮かべると思いますが、
注意しないと逆に痩せにくい体質に
なることもあるのです。
ちなみに炭水化物は摂取されると、
最終的には単糖類のグルコース・フルクトース・ガラクトースなどに分解されてから人体に吸収されます。
また、人体の糖質は血液中の血糖と
筋肉や肝臓のグリコーゲンが主体で、
成人の糖質含量はグルコースに換算して
200~300グラム程度ということですが、
脂肪の場合は個人差があるもののエネルギーにして、糖質の約30倍もの蓄積量があると言われています。
では糖質を制限すると一体どのようなことが起こるのか?
糖質を制限すると、
血液中の糖がまず使われて血糖値が下がります。
そして肝臓内のグリコーゲンが使用されますが、
脂肪に比べて量が非常に少ないので長い時間はもちません。
するとどうなるのか?
肝臓内のグリコーゲンが少なくなると、
人体は糖新生を起こして、筋肉を切り崩してブドウ糖へと変換を行います。
このように筋肉や細胞を分解して、エネルギーにしてしまう作用が「異化(カタボリック)」です。
逆に筋肉や脂肪等、身体の組織が新しく合成されることが、ドーピングで有名な「同化(アナボリック)」です。
結果的に、糖質を制限すればするほど筋肉が減少してしまい、
当然ながら筋肉が減少すれば基礎代謝も下がりますから、
痩せにくい体質が出来上がってしますのです。
また、糖質を制限することは他にも問題があるのです。
ではダイエットのために糖質を制限すればどうなるか?
「脳」のエネルギー源は
「酸素」と糖質である「ブドウ糖」です。
この内「酸素」は呼吸で、
「ブドウ糖」は食事によって摂取します。
この単糖類であるブドウ糖は、
不足したときのために
多糖類であるグリコーゲンに変化して
肝臓や筋肉に保管されています。
そして肝臓や筋肉に一時的に保管されていたグリコーゲンは、
ブドウ糖が不足した場合に分解されて
エネルギー源として利用されます。
そして前述しましたがグリコーゲンが減少すると、
人体は脂肪を分解してエネルギー源として利用します。
このため、
「それならば糖質を制限した方が早く脂肪の分解が始まって、効率的なダイエットができるのでないか?」
と思ってしまいがちなのですが、
糖質であるグリコーゲンは「脳」にとって
「酸素」と並ぶ2大エネルギー源であり、
不足してしまうと
「脳のエネルギー不足」=「脳のスタミナ不足」を起こしてしまいます。
イメージができると思いますが、
この状態はいわゆる、
集中力や思考力の低下、
引いては踏ん張る力も低下してしまい、
レース中の苦しい所で頑張れなくなってしまうことになります。
これではせっかく練習を頑張った意味がありません。
また、ちなみに脳は「ブドウ糖」を消費するのみで保存することはできません。
勉強の際に、甘い物を摂った方が集中力が持続できる、
というのはこのことからも解ります。
そのため糖質を日頃の食事や運動の際にも適度に、
かつ効率良く摂取することは大事なことなのです。
では糖質を効率良く摂取することのメリットは何なのか?