「皮下脂肪」や「内臓脂肪」の違いとは?~「皮下脂肪」・「内臓脂肪」それぞれの性質から知ってみる

「皮下脂肪」と「内臓脂肪」の違い
体脂肪には「皮下脂肪」と「内臓脂肪」の2種類がありますが、
それぞれの違いとは?
・皮下脂肪
「皮下脂肪」は名前の通り、皮膚の下につく脂肪です。
身体の表面に近いところに存在するので、
つまめば簡単に脂肪の付き具合が分かります。
ということはすぐに自分が肥満であることに
注意が行くきっかけとなる脂肪です。
一般的には女性の方が女性ホルモンの作用により、男性に比べて皮下脂肪が付きやすい傾向だと言われています。
・内臓脂肪
「内臓脂肪」は内臓の周囲につく脂肪です。
身体の外からは触れることができない隠れた脂肪なので、測定しないと今自分がどの位の内臓脂肪を溜めこんでいるのか分かりません。
どちらかと言えば男性の方がエネルギー源として、皮下脂肪よりも内臓脂肪を蓄えてしまう傾向にあるので、
内臓脂肪は男性に多いと言われていますが、
女性も閉経後は内臓脂肪が蓄積されやすい傾向になります。
一般的にはウエストのサイズが
男性で85cm、女性で90cm以上あると
いわゆるメタボリックシンドローム(内臓蓄積型肥満)と呼ばれていますが、
きちんと「内臓脂肪」の性質を理解して減らしていけば、「内臓脂肪」はそれほど怖いものではありません。
では「皮下脂肪」・「内臓脂肪」それぞれの性質とは?
「皮下脂肪」・「内臓脂肪」それぞれの性質とは?
「皮下脂肪」・「内臓脂肪」はそれぞれが付く場所も異なる他に、
「内臓脂肪」と比べて「皮下脂肪」は代謝されづらいという
性質の違いもあります。
内臓脂肪の性質
・内臓脂肪
内臓脂肪は次のような働きがあります。
1.内臓を正しい位置に保持すること
2.内臓を保護すること
また「内臓脂肪」は「付きやすい上に落ちやすい」という性質があります。
これは「内臓脂肪」が筋肉を動かす熱源になるので、
脂肪酸の出し入れが容易な状態にあるため代謝が活発だからです。
従って、内臓脂肪が蓄積されたタイプの肥満は
生活習慣の改善で簡単に改善できることが分かるとともに、
逆を返せば痩せる方向とは反対の生活を
していることが簡単に分かってしまいます。
また内臓脂肪は生活習慣病との関係が深いと言われていますので、
健康管理のためにこの内臓脂肪をチェックすることは大事なことです。
具体的には、内臓脂肪を溜めこみすぎると
糖尿病・高血圧症・高脂血症等の病気が誘発されやすくなり、
さらにこれらの病気は、
動脈硬化に繋がる可能性を含んでいます。
また、メタボリックシンドロームに関連した言葉として
「死の四重奏」という言葉があり、
「肥満」「糖尿病」「高脂血症」「高血圧」の
4種類の生活習慣病のことを言います。
動脈硬化を引き起こした患者はこの「死の四重奏」を
併せ持つことが多いと言われています。
何気ない生活の習慣から増えてしまう「内臓脂肪」ですが、
では順調に落としていくためにはどうすればいいのか?
内臓脂肪を順調に落とすためには?
内臓脂肪は前述した通りに生活習慣の改善により
比較的簡単に落とすことができます。
これは内臓脂肪が持つ「付きやすい上に落ちやすい」という
性質があるからこそであり、
少しの工夫で落とすことができるのです。
しかし大切なのは「続けること」です。
実は一番苦痛なのがこの「続けること」であり、
「続かない」から内臓脂肪が増えていくのです。
3か月もあれば改善された身体を目の当たりにして
鏡の前で驚いている自分がそこにいることになります。
1.有酸素運動の習慣をつける
一番効果的なのがこの「有酸素運動」ですが、
何も辛い思いをしてまで続ける必要はありません。
負荷が軽くてもいいので、簡単な有酸素運動を継続していくことで
内臓脂肪を燃焼していきます。
内容としては、ウォーキング・ジョギング
エアロビクス(初心者向けのもので十分)・ヨガ
水泳等ですが、
ウォーキングは誰でも簡単に実行できる上に
効果を得られるのでお勧めできます。
ただし、脂肪燃焼が起こるまでに
止めてしまうと効果はあまりないので、
前述した内容を参考にしながら十分な時間の
有酸素運動を行う必要があります。
ウォーキングなら30分~1時間程度を目安に取り組めばいいでしょう。
時間がどうしても取れない、という場合は
1駅手前で降りて歩く、エスカレーターではなく階段を使用する、
という具合に少しずつ工夫することも大事です。
2.筋力トレーニング
有酸素運動と並んで大事なのが「筋力トレーニング」。
めんどくさいと思われてしまいますが、
運動の時よりも人間が1日に消費するカロリーは非常に多いのです。
そのため、筋力トレーニングを行って筋肉量を増やして、
もしくは質を良くして基礎代謝を上げます。
基礎代謝を上げてエネルギー消費量を上げることは大事です。
そうすればだんだんと太りにくい体質へと変わっていくからです。
3.食事の改善
食事自体が日常的なものなので、内臓脂肪を減らす
もしくは内臓脂肪が増えにくい生活習慣にするためには
食事の改善は一番大事なものだとも言えます。
当たり前のことですが、「低カロリー」の食事を摂りながら
十分な栄養を摂取するよう心掛けることです。
特に大事なのは身体の基となる「タンパク質」をきちんと摂ることであり、
「タンパク質」は運動で傷ついた身体のより早い修復を助けるので、
十分な基礎代謝を維持しながら効率的な脂肪燃焼を行えます。
大事なのは量よりも質なので、
一度自身の食事の内容をチェックしてみることが大事です。
ただし、食べないダイエットは逆に身体が
食物の吸収力をアップさせてしまいます。
結果としてリバウンドに繋がり逆効果になります。
また、内臓脂肪は皮下脂肪とは違い食事の改善だけでも
内臓脂肪を減らすことには効果があります。
内容を見ていると気付きますが、
これらは誰にでも当てはまるものです。
内臓脂肪とはまさに「生活習慣」が
ダイレクトに反映された結果なのです。

皮下脂肪の性質
では皮下脂肪の性質とは?
・皮下脂肪
皮下脂肪は次のような働きがあります。
1.熱を伝えにくいので体温を保温することができる。
2.クッションの働きがあるので内臓を保護する。
3.未使用のエネルギーを蓄えておく、貯蔵エネルギーとしての役割。
皮下脂肪は内臓脂肪と比べると代謝が悪いため、
内臓脂肪よりも減りにくいという特徴があります。
これは貯蔵エネルギーとしての役割が作用しているからであり、
そのため皮下脂肪を減らすためにはそれなりの期間を要します。
皮下脂肪は内臓脂肪と比べて、
生活習慣病への影響は低いといえども、
皮下脂肪が付き過ぎると骨格等に負担がかかる分、
生活に影響が出るので十分に気にする必要があります。
また、皮下脂肪が蓄積されたまま代謝せずにいると
セルライトの原因となってしまうので注意が必要です。
皮下脂肪を順調に落とすためには?
では皮下脂肪を順調に落とすためにはどうすればいいのか?
皮下脂肪は食事制限だけでは落とすことが難しいので
運動もしっかりと行う必要があります。
また、十分落ちるまでにはある程度の時間は要しますが
食事制限と運動をきちんと組み合わせて
減らしていくことになります。
そして重要なのは食事制限によるダイエットは行わないことです。
ダイエットによる筋肉量の低下が招く基礎代謝の減少と、
内臓が飢餓状態に陥ることで
栄養の吸収力を増加させることにより、
より太りやすい身体を招いてしまいます。
結果として、ダイエットはしたけれども脂肪は増えた、
という悲劇が冗談ではなくなることを生んでしまいます。
以上より、皮下脂肪を落とすためには、
<内臓脂肪を順調に落としていくためにはどうすればいいのか?>にて
記載した1~3の内容を根気よく続けていくのが一番です。
内臓脂肪とは違い皮下脂肪は食事の改善だけでは
なかなかダイエットの効果は現れません。
焦らずに体脂肪計にて脂肪量をチェックしながら、
今の自分の行動が正しい方向に向かっているのかを
気にしながら行っていくことです。
筋力トレーニングの効果は基礎代謝を上げることで
ダイエットに役立ちますが、
柔軟な身体を作るためにも役立ちます。
ダイエットをするならば、
ついでに「柔軟な身体作り」をも目指すべきですが、
そのメリットとは?